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Dolls ドールズの10000lyfhのネタバレレビュー・内容・結末

Dolls ドールズ(2002年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

婚約破棄され精神障害を負った女性と、愛と贖罪の念から彼女に寄り添う元婚約者の男性との、四季を巡っての彷徨と、彼らとかすめるような接点を持った 2グループの人物たちのドラマ。実質的に独立した 3つの中編に主従ヒエラルキーをつけ、メインストーリーに他の 2つを埋め込むという形式、ありそうでレア。冒頭とラストで特に効果的な、浄瑠璃イメージの重ね合わせは、意味があるともないともとれるブレインティーザであると共に、ヴィジュアル的にクール。よく選びこまれたロケーションでの四季、ゴダールを思わせるエレヴェータホールに転がる死体群、カネフスキーを思わせる線路など、映像が美しい。スローテンポと静寂の中、沈黙が効果的。難点としては、閉塞感強く進行するストーリーが、結局その方向で終わるのはありがちだし、無駄に後味を悪くしてもったいない。映像や演技(意図的と思われる棒読み)や脚本が一体となって、作り物感が強く、それが悪いわけではないが、好みの問題として、自分には刺さらなかった
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