アニマル泉

ベラ・ルゴシの 幽霊の館のアニマル泉のレビュー・感想・評価

ベラ・ルゴシの 幽霊の館(1941年製作の映画)
4.2
"怪奇スター”ベラ・ルゴシ主役のジョセフ・H・ルイスの異常心理映画。死んだはずなのに生きてる妻(ベティ・カンプソン)、処刑された娘婿が生まれ変わったみたいな弟(ジョン、マクガイアが二役)、正常なルゴシと異常なルゴシ、本作は「二面性」の映画である。
本作の主題は「火」だ。ルゴシは暖炉の火ごしに不気味に描かれる。屋敷のヒューズがとんでロウソクの火になる。
「鏡」もルイスの主題だ。さらに「窓」も重要な主題だ。ルゴシが窓から見下ろすと妻が見上げている。妻が窓のガラスごしに現れるとルゴシに下からの照明で不気味に浮かび上がって夢遊病になる。雷と雨の窓ごしのショットはルイスの十八番だ。
そして「階段」の主題。玄関ホールにはルゴシの部屋がある二階への階段が存在感を示している。階段下には妻の肖像画がある。そして本作のクライマックスではこの階段をルゴシが登っていく。階段は不気味で危ない。玄関ホールを階段の上から撮る俯瞰ショットが何回か挿入される。この俯瞰の使い方がルイスは上手い。
ルゴシの犯行場面、ガウンを掲げながら迫るルゴシのアップは怖い。横移動ショットも多用されて、特にセットの壁を抜けて外から室内にワンカットで横トラックするのが印象的だ。
本作はよく死ぬ映画だ。原題は「見えない幽霊」モノグラム・ピクチャー制作。
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