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トラ・トラ・トラ!のLEOのレビュー・感想・評価

トラ・トラ・トラ!(1970年製作の映画)
4.5
大日本帝国海軍による1941年12月8日の真珠湾攻撃をめぐる日米両国の動きを描いた作品。

プロデューサーのエルモ・ウィリアムズらが「(日本パートは)日本で日本人の手によって撮影するのが最善の方法」と主張した事によって、『ミッドウェイ』のようにアメリカ万歳でなく、米国映画でありながらも非常に中立的な立場で描かれているのが素晴らしい。
真珠湾攻撃は事前の暗号解読でバレてたけど、戦争に参加したい米政府に黙殺されてたという有名な話もちゃんと描かれている。

ハワイの現場兵士達にしてみれば「喧嘩してたけど、ちょっとよそ見したらいきなり本気で殴りかかってきやがった、このチビ!」みたいな?

当然CGなんぞない時代だから戦艦「長門」・空母「赤城」などは原寸大オープンセットが作られ、零式艦上戦闘機、九九式艦上爆撃機、九七式艦上攻撃機なども米国製の練習機を改造して制作。
墜落していく戦闘機など実写では撮影困難なシーン以外はスタントパイロットがアクロバットを繰り返して、迫力ある重厚なシーンを造り上げたそうだ。

だからかかった費用も莫大で、$33,000,000=118億8千万円(もちろん当時の)というからこんな作品はもう二度と生まれないのだろう。
歴史に見ても素晴らしい作品だ。

ただ、金をふんだんに使ったセットや機体をたっぷり見せたいのは分かるが、一つ一つのシーンが全部長過ぎるのが難点。
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