LEO

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのLEOのレビュー・感想・評価

3.4
国のすべてを守る誓いを立てたかつて「ハーパー」だったエドガンは、討伐した赤い魔術師たちの復讐によって妻を失ったうえに盗賊に身をやつして投獄されてしまい、さらには昔の仲間に娘まで奪われてしまう。
そこで娘を取り戻すため、そして失った妻のために戦士ホルガ・魔法使いのサイモン・ドルイドのドリックとともに、とあるマジックアイテムを探す旅に出るが、それが全世界を脅かす巨大な悪の陰謀に対峙していくこととなって…という話。

そもそも「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は、1974年に発売された世界初のロールプレイングゲーム。
自分は大好きで何度もプレイしているので、この映画はけっこうその世界観がよく表現されているなぁと思う。
2000年製作の『ダンジョン&ドラゴン』なんかと比べたらホント雲泥の差でよく出来てる。

デミ・ヒューマンやビースト達もいい!特にドリック!!
ちょっとエルフっぽい外見だが、ドルイド特有の変身能力で彼女がハエからネズミ、鳥、鹿へ姿を変えながら城を脱出するシーンは、素晴らしいアングルと躍動感あるカメラワークで「これぞD&Dの世界!」と言いたくなった。
さらに喋る死体や酸を吐くブラックドラゴン、デブで欲深なレッドドラゴン、ゴールド(白?)ドラゴンの石像に宝箱に擬態したミミックやゼラチナス・キューブスライム。黒豹に似たディスプレーサービースト。歩く脳みそインテレクト・ディヴァウラーやアウルベア。
もうTRPG好きだったらニヤニヤが止まらないに違いない!

…とはいうものの、恐らくこのファンタジーの前知識やTRPGの実体験があるかどうかで本作の面白さの体感度合いが変わってくるんだろうなぁとは思うんですよ。
欧米はね、文化的にヒロイックファンタジーを楽しむ土壌があるんでまだいいんじゃないかとは思うんですが、日本にはそういうのがないんで「なんのこっちゃ?」って感じの人が多いんじゃないかなぁと。
日本にファンタジー世界をガッツリ認識させたのは、やっぱ『ロード・オブ・ザ・リング』だもんなぁ、歴史が浅い。

それと、ひとつひとつのピンチがアッサリ解決しすぎる。
それがキャラの軽さとミックスされて、ホント軽いポップコーン・ムービーだったなぁと感じてしまった。
まぁ、家族で観る用の映画なのかな?
それに「アウトローたちの誇り」ってサブタイトルがダサすぎ…。

あとね、『ダンジョン&ドラゴン』もそうなんだけど、何故今回も主人公が花形のファイターとかじゃなくてシーフなの?
登場人物の中で一番活躍してなさそうだったの主人公じゃね?w
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