中学生の殺し合いが倫理的にどうか、という議題云々じゃなくて、
映画として面白かったよね、って思う私はちょっとおかしいのかな?
中学生が銃や刀や斧を持ち、互いに殺しあうという、衝撃的な題材は、社会的背景や、思春期の不安定さや、人間の本質を描き出していて面白かったし、
中学生に扮したキャストたちと、ゲームを仕切る教師のキタノも、みんな良かったんだよなぁ。
人が死ぬシーンは、やっぱり気持ち悪いけど、同じ題材でハリウッドでやったらもっと気持ち悪くなるだろうなって思うし、
マシンガンで撃たれようが、なかなか人も死なないので、フィクションとして見ていられるレベルのグロさでした。
よっぽど、キャストの演技のが怖い。
まず、相馬光子(柴咲コウ)。
昨日まで友達の1人だと思っていた女の子が殺人鬼に変わる。
抑圧されていた自我が、究極の状況を前に開花する姿が怖いのなんの。
目力がまた印象的で、怖さを増してる。
そして、千草貴子(栗山千明)
「あたしの全存在をかけて、あんたを否定してあげる」
光子とは違って、殺人鬼になるわけではない。多分スクールカーストの上位にいたのだろう、女の子。
そんな彼女がキレる瞬間。
タランティーノが気に入ってキルビルに起用したのも納得の迫力。
いつか言いたいこの台詞。
最高だったのは、桐山和雄(安藤政信)
一つのクラスで行われる殺し合いに、転校生として志願して参加した生徒で、
とにかくマシンガンで人を殺しまくる。
役者本人の提案で、台詞を全て無くしているので、動きと表情だけで、純度100%の悪、サイコパスを演じていてマジで怖い。
ダントツ顔がいいのもまた恐怖。
悪役好きにはたまらないかっこよさでした。