LalaーMukuーMerry

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

3.5
1910年代の石油屋(石油が地下に眠る土地を探しだし、地主から土地を買いあげ、ボーリングして石油を掘り当てて、金儲けする男)を主人公にした映画。当時既に石油王ロックフェラーのスタンダード・オイル社が巨大な存在だったが、石油で一獲千金を狙う男がまだいたんだな。地質調査の専門知識や相当な元手も必要と思うのだが。
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当時のままの木製の油井から、シェールガスとともにもの凄い勢いで真っ黒い石油が噴き出す、そこに火がついて大火災に、その火を消すために大量のダイナマイトをしかけ油井をつぶす・・・、なんという乱暴なやり方!とあきれつつ、当時はこんなだったかと。(よくこんな撮影しましたね、アカデミ―撮影賞もナットク)
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そんなことよりこの作品は、主人公ダニエルの生きざまを描いた話なのだが、冒頭の気持ち悪いBGMどおり、まぁ全く共感するところのない酷い人間性の男だった。その彼と対立する教会の伝道師も悪魔祓いまがいの説教をする狂気じみた感じの気持ち悪い男で、どっちも全く好きになれない。その二人の関係の顛末が「いずれ血に染まる」という意味のタイトルになったのでしょうが、なんでこんなろくでもない男どもを描くのだろう。ここまで後味の悪いのもひさびさでした。
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原作は1927年の「Oil !」という小説だけど、なぜ80年も前の小説を映画化したのだろう? どういう価値がこの作品にあるというのだろう? なぜこんなにFilmarksの評価が高いのだろう? 謎しか残らない。(全くオススメできません)