柏エシディシ

ざくろの色の柏エシディシのレビュー・感想・評価

ざくろの色(1971年製作の映画)
3.0
はじめましてパラジャーノフ。
しっかしもう。世界の映画という広大な宇宙に何度驚かせられてしまうのか。
こういう自分の理解出来る映画文脈から逸脱する作品と対峙すると、本当に謙虚な気持ちになるし、刺激を受ける。

所謂絵画的な映像スタイルはPVやコマーシャルフォトでもお馴染みの手法だし、映画でそういった印象的なカットにお目見えする事はままあることだけれど、全編にわたって次々とここまで連綿と続く作品はそうはないのではないだろうか。
しかも、いずれの画面を切り取っても、独特かつ優美。動く絵画。まさに動く美術館の趣き。

アルメニア文化に根ざした艶やかな色彩感覚。
そして、詩人サヤトノヴァの生涯。
もっと自分に学があれば、そこに込められた寓意や批評性に気付けるのでしょうが、、勉強不足ですわ。
しかし、こういったアラベスクの様な映画、キューブリックでもリンチでも枚挙に暇はないですが、識者の批評からあれこれはこういう意味らしい、とか自分の映画リテラシーの向上でそれなりに飲み込んだ(つもり)になってきたりとかしてきても、
映画ファンってどこか、純粋に映像と音楽と演技のインパクト、自分の理解を越えたショックを映画に求めているところがある節があって。
パラジャーノフの作品にも今回それを感じた次第。
そうして、それがほぼ半世紀前の作品なのだから、参ってしまう。
自分はまだ世界の映画を知らな過ぎますね。
柏エシディシ

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