話は悪くないのだが、アニメやマンガだと気にならない事が実写では目立つ典型的な映画になっている。
例えば主人公の弟である日々人は日本人初の月面着陸を行うのに、全く話題にならないどころか、家族が月面着陸の様子を自宅のテレビで見るというのは実写では不自然さを感じてしまう。弟が月面で事故にあった時も家族には知らされていないのも違和感がある。
また日々人の事故に際して管制室のシーンが殆どないので、日々人が遭難事故に遭う件が本編つまり主人公が宇宙飛行士になるという話に対して機能していない。
映像的にも問題があって、人がいるシーンでの海外ロケを殆どしていないので取ってつけたような映像になっている。またロケットの発射シーンも移動速度が速いのも気になる所だ。また月面シーンでの砂の撒い方も違和感がある。もちろん日本映画の中では良い出来だと思うが、月面シーンが沢山あるのだからもう少し説得力をもたせる事もできたのではないだろうか？
ストーリーとしては宇宙飛行士の適性試験を通して、自身の劣等感を乗り越えていくという内容で、ストーリーの部分は普遍的な人間ドラマとして良く出来ている。特に最終面接のシーンの展開は良かった。
また本編とは直接関係ないが日々人がNASAのクルーと交わす英語が文章的であまり会話的では無いのが気になる。
