「つくづく女というものは御し難いな」
ガンダムシリーズの劇場作品で宇宙世紀もの。シーブック少年はクロスボーン・バンガードに打ち勝てるか?
いわゆるアムロシャア時代から30年以上後の時代。他の作品からもちょっと独立している。地球連邦政府の腐敗は極まる一方で、遠いスペースコロニーからは高潔な思想を持った敵が生まれるという対比が面白い。敵のカロッゾは鉄仮面を外せず、ガンダムはフェイスオープンできるという要素もまた対比。
キャラクター数は結構多いものの、それぞれ役割があり認知に混乱はしない。主人公のシーブックとセシリーはシリーズでは珍しく子供っぽさが薄い。2人はガンダム史の中でも化物じみた戦闘の才能を見せる。モビルスーツデザインも独特で、敵のシンボルとして目をサングラス的デザインにしたのは評価したい。
構成としては序盤で戦争が起こる恐さ、中盤で家族の人間模様、終盤ではそれらの帰結を描く。元々TVシリーズとしての企画を映画にしたらしいので、駆け足感は否めない。特に父親が死ぬ流れ。それを除けばバランスは良かったと思う。
シリーズで見たかったな、っていう作品。