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ロミオ&ジュリエットのdenizのレビュー・感想・評価

ロミオ&ジュリエット(1996年製作の映画)
3.7
「あざ笑え、痛みを知らぬ者。」 

誰もが知る世紀の悲恋を現代に置き換えた一作。
メキシコを思わせる架空の街、ヴェローナ・ビーチが舞台。
冒頭のリズミカルで踊るようなアクションから早速世界観に惹き込まれる。
ビーチなだけに(?)、基本はアロハシャツ。
全体的に肌色多めで視覚情報はなかなかパリピ感全開なのに、シェイクスピアの詩的な台詞回しを用いているので絶妙に品を保っているのが凄い。
前半は特にコミカルな編集を多用していて、展開も早く、まさに鮮烈なポップ・オペラ。
然あれども。
兎にも角にもロミオが絶世の美少年。
これに全ては尽きるのです…。
周りがアバンギャルドなだけに、飾り無用な端正さが際立つ際立つ。
言葉の通り天使の如きヴィジュアルなジュリエットとの、水槽越しの逢瀬の美しさと言ったら…。
滅多に恋愛映画を嗜まない私も堪らず胸キュンです笑
そりゃカーディガンズのラブフールも流れちゃうよね。

Love me love me,Say that you love me.
Fool me fool me,Go on and fool me.
「私のこと愛してると言って。
 嘘でもいいからそう言って。」

何者でもない、ただふたりの若者が出逢って、恋が始まる。
若さは美しい。
恋は美しい。
…時に痛みは伴うけれど。
永らく忘れかけていたそんなシンプルな感情を、鮮やかに思い出させてくれたバズ・ラーマン監督にそっと感謝を…
(パリスが若きポール・ラッド氏だとエンドクレジットでようやく気付きました…😅)
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