あつ

ゴーストワールドのあつのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

年齢を重ねやれることの幅自体は増えていく一方で、現実的に自分と向き合い社会でどう生きていくのかを考えていくと狭まっていく選択肢。社会を迎合し大衆と同化することこそがまるで理想的な姿であるかのような空気への嫌悪感を抱えて「他とは違う自分」を主張する。

多くの人に本作が愛されているのはそういうイーニドが抱える鬱憤と同じものを程度は違えど感じたことのある人が世界中にいるからなんだろうな。精神的にも外見的にもあまりに青臭く痛々しいので観ていてしんどくなることはあったけれど「その苦しさ知ってる…」という強い共感で引き込まれてしまう。あの生々しさ凄いな観てよかった。

自分がどうありたいのかも明確にはわからないけど世の流れに則り周りと同じように就職したり大学に行くような典型的な同世代になるのは負けたようでしたくない、でもやりたいことがあるわけでもない…みたいなグルグル回って解消されないフラストレーションと日々戦いその日のバイオリズムで生活する。変わろうと覚悟を決めて一歩進みだそうとすると別の日の自分が足を引っ張ってきて結局何もうまくいかずそのジレンマから抜け出せない。

こういう悩みと絶賛戦い中の若者が観るべきなのか、そこから抜け出して今は社会で戦っている人が観るべきなのか。どちらも観るべきなのは間違いないけれど果たしてどちらの方がより刺さるのか気になる笑
あつ

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