醜く、貧しく、ずるく、薄汚く…
それでも生きている、ただその瞬間のみを力強く、「生きている」という実感を切り取っては、それらを繋ぎ合わせて生きている。
それがやがて美しく思えてくるのです。
退廃的、暴力的、非現実的な世界観。
窮屈で居心地の悪い舞台なのに、いつしかノスタルジーを感じてしまっていたり、「観がい」を味わっていたり。
整合性もないし突拍子もない、時にグロくて怖かったりするけれど、その不気味さと不整合さ、曖昧さがやがて作品の魅力となってくる感覚が面白かった。
「お金より大事なものがある」
などという言葉は綺麗事だけども、この映画を観れば、どことなく納得してしまうような。
なんか色々考察の余地や深入りの余地もある気がするけれど、よく分からない。でも映画そのものが瞬間の感情に乗って突っ走る感じがして、長尺は感じなかった。
正直、好きな映画では無かったけど、観てよかった。後からジワジワ点数が高くなっていく映画だと思う。
映画の流れからのCharaの曲を乗せたエンディングが最高。