もじゃ

007/カジノ・ロワイヤルのもじゃのレビュー・感想・評価

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)
4.5
「任務完了。裏切り者は死んだ」

スパイ映画の代表007。新しいボンド役にダニエル・クレイグを迎えた1作目。ダブルオーになったボンドは最初の任務を全うできるか?

気合の新シリーズ。ここから続く作品も含めたシリーズ構成も考えての1作目か。007拝命からのドラマをじっくり描く2時間20分超。任務の方は巨額が巨悪に渡るのを防ぐというやっつけ感。奪い合うのはパスワード。まあ、ドラマを見せるために任務は記号にしてしまったか。

ダニエル・クレイグ。前任のピアースの軽さからは正反対に振り切れたストイックさ。キャラ的なエロさの欠如は筋肉で補う。スパイは甘くねぇんだよと表情で語る。エヴァ・グリーンは美しい。そりゃあボンドも仕事も辞めたくなる。最初の任務最後の愛というキャッチフレーズに相応しい相手。マッツ・ミケルセンはカジノシーンまでは主役を喰っていた。その後の小物感も悪くない。

冒頭シーンが白黒なだけでも気合が入ってることがわかる。アクションシーンも重々しく痛々しい。構成としては一般的な映画と違いラスト20分のベネチアシークエンスが最も重要に作ってある。2時間かけたセットアップ。2作品見たかのようなエネルギー消費。

今後どんな辛さが待っているんだろう、っていう作品。
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