広島カップ

駅馬車の広島カップのレビュー・感想・評価

駅馬車(1939年製作の映画)
3.8
狭い駅馬車(急行列車の向い合せシートみたいな車内)にバラエティ豊かな人達を七人詰め込みました。
車の中のカメラは三人をとらえるのが精一杯。余裕を持つことを優先すれば二人のショットが多い。
脱獄犯、賞金稼ぎ、娼婦、酔いどれ医者、銀行員、ウイスキーの営業マン、そして美人の「男女七人西部物語」。

車内の七人もお互いに好き嫌いがありますので、キツキツの向き合った座席の間でプロポーズ大作戦の連結線のような視線が自然と出来上がってきます。
賞金稼ぎと美人、脱獄犯と娼婦、酔いどれ医者と酒の営業マンみたいな。
ギュッと狭い空間に人間ドラマが自然と醸成されていくのが脚本の上手いところですね。
その悲喜交々の人生を載せたちっぽけな駅馬車が広大で典型的な西部の荒野を突っ走っていく画がとてもいいですね。

人間模様だけではなくダイナミックなアパッチとの追跡劇、西部の町での果し合いなど西部劇の定番要素をぞん分に盛り込んで楽しませてくれます。
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