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おくりびとの会社員のレビュー・感想・評価

おくりびと(2008年製作の映画)
5.0
職業に貴賤無し。

オーケストラのチェリストとして輝かしい夢を掴んだ矢先、突然の解散の知らせを受け、勘違いから納棺師として勤めることとなる。
テーマがテーマだけに、終始暗く重苦しい雰囲気かと思ったが決してそうではなく、
むしろユーモアに富んだシーンの数々で、悩みを抱えながらも仕事に向き合っていく主人公を描く。

日の目を見ない仕事は世間には受け入れられ難く、時には心ない言葉を浴びせられる。しかし、一つ一つの納棺にはその人の人生やそれを囲む人々の様々な想いが詰まっており、その儀式は厳かで美しく、感動的であった。

「死ぬ気がないなら食べるしかない。どうせ食べるなら、うまい方がいい。」多くない台詞のそれぞれが、深い。

誰も死からは逃れられない。最期に門をくぐる時、その安らかな旅路の手伝いをする、何と素晴らしい職業であろうか。
働く前の子供はもちろん、現に働く人々にとっても学ぶことの多い作品である。
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