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帝一の國の会社員のレビュー・感想・評価

帝一の國(2017年製作の映画)
3.0
自分の国を造る、その理由とは


舞台は昭和。その高校の生徒会長になることが、総理大臣の座に就くための必須の条件であるという超名門校が舞台である。幼少期から帝王学を叩き込まれた主人公は、自分だけの国を造ることを目標に、生徒会で権謀術数をめぐらす。

今をときめく若手俳優が織り成すコメディでありながら、その内容は鋭く深みがある。東京五輪後急速に活発化した総裁選をめぐる紆余曲折を見るにつけ、彼らは本作の主人公のように本来の目的を忘れ権力闘争に明け暮れているようにしか思えない。

しかし一方で、現代の政治に対する風刺という側面だけでなく、日々流れる報道をまるで映画を楽しむかのように消費してしまう、我々の政治関心も問われているとは言えないだろうか。
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