◆あらすじ◆
エリート弁護士のヘンリー・ターナー(ハリソン・フォード)は営利や勝利を優先する冷酷な弁護士だった。また、ヘンリーは年中仕事で、家族のことを二の次にしていた。ある日、ヘンリーは煙草を買いに店に入ったところ、強盗に撃たれて意識不明の重体となる。奇跡的に目覚めたヘンリーだったが記憶を失っていた。
◆感想◆
冷酷で家族を顧みない弁護士が記憶を失ったことにより、倫理観や家族とのふれあいを取り戻していく姿を描いた作品となっており、記憶喪失前と喪失後の自分との違いに苦しみながら、自分の生き方を見出していくヘンリーの姿が私の気持ちを熱くさせてくれました。
有能だが冷酷なヘンリーの姿は如何にも金満弁護士という感じを具現化しており、仕事第一のブラックな雰囲気を振りまいていました。その結果、勤務先でチヤホヤされても家庭では寒い感じがして嫌悪感を抱くキャラクターとなっていました。
強盗に撃たれて重体になった後、身体を満足に動かせず、喋ることもできない状態にヘンリーはなりますが、リハビリ療法士のブラッドリーの助けによりヘンリーは回復していきます。このブラッドリーの陽気でちょっと強引なリハビリが観ていて楽しかったです。ストーリーとして重い部分なんですが、ブラッドリーが明るくしてくれていて観やすかったです。
記憶を取り戻してからは、ヘンリーは純粋無垢な少年のようになっており、妻のサラ(アネット・ベニング)や娘のレイチェル(ミッキー・アレン)に助けてもらって生活をするようになります。これがストーリー前半の傲慢で自分一人で何でもできると勘違いしているヘンリーから大きく変わっていて、感謝や一緒にいたいという心情を素直に表していて、好感が持てました。
終盤の展開は意外性に乏しいですが、これを観たかったというものをしっかり描いていて安心感と心地よさを感じられるものになっていました。
これを観たいという展開を用意してくれている作品であり、意外性は無くとも安心して楽しめて良かったと思います。
鑑賞日:2023年10月22日
鑑賞方法:NHK BSプレミアム
(録画日:2022年8月15日))