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アキラ AKIRAのyumeayuのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.5
"さん"をつけろよデコ助野郎!!

後のアニメ、映画のみならず様々なカルチャーにインスピレーションを与えた日本を代表するSFアニメの金字塔。

制作から30年。4Kリマスター版の公開&発売で再び話題となっているが、それ以上に注目を浴びているのは東京五輪が2020年に開催されることや、伝染病が蔓延することなど、"予言"とも取れる複数の描写について(一部は原作漫画から)。

確かに劇中で描かれているオリンピック競技場の建設現場はどことなく国立競技場に似ている気もしないではない。
そしてそこには「開催迄あと147日」の看板が貼られていたが、まさか現実においても開催間際で「中止だ 中止!」(実際は延期だけど)になるとは思っても見なかった。

今作で描かれる"ネオ東京"なる街並みは第三次世界大戦後の東京の姿だ。まさにディストピア。
30年前の当時に描かれた街並みにも関わらず、今見るとリアルな未来の描写となっているのがわかる。
悲しいかな、結局のところ令和になっても未来はそれほど明るいものではなかった…。

予言だとか、そんなオカルト要素ばかりに触れているが、作品自体は何年たっても色あせず、何度見ても抜群に面白い。
こだわり抜いた手書きのセル、金田のバイクのデザイン、鉄男の超能力の表現、芸能山城組による音楽、どこを切り取っても素晴らしい。

なんてったって製作費が10億円!作画枚数が15万枚、カット数が2200カット!今考えてもアニメ映画にこの規模というのは凄すぎる。
しかもCGがまだ普及していない時代で、このクオリティですからね。ビックリです。


あと、気になるのは実写版の行方。
レオナルド・ディカプリオによるプロデュース、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティが監督を担当すると言われていたが、その後進展はせず…。
かなり前から実写化が噂されているものの、二転三転する状況は変わらず。
個人的にはアニメ版が完成され過ぎているので、実写化する意味があるのかは疑問。『攻殻機動隊』みたいになるのは勘弁。

ただ、公開されたらなんだかんだで絶対見ちゃうんだろうなぁ。
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