しろくま

次郎長三国志 第一部のしろくまのレビュー・感想・評価

次郎長三国志 第一部(1963年製作の映画)
3.6
《どうにも食っていかれねえ》
〝旅の風は寒かったぜ。財布をはたいて一本刀を買い、まげもいなせに、回し合羽に三度笠、親分なしの子分もねえ。名も次郎長と改め、オレは一本独鈷のやくざになっちまったんだ〟

〝オレは海道一の大親分になる!〟と言う次郎長(鶴田浩二)の元に、彼の侠気に惚れた個性豊かな子分たちが集まってくる展開は、〝オレは世界一の海賊王になる!〟というルフィの元に様々な仲間が集まってくる〝ONE PIECE〟と一緒。〝ONE PIECE〟の作者の尾田栄一郎さんも、このシリーズの大ファンだそうで、ということは本作は〝ONE PIECE〟のルーツってことね。

旅先の賭場で出会った喧嘩っ早い桶屋の鬼吉(山城新伍)、喧嘩相手の使者だったが次郎長に惚れこんで子分になった関東綱五郎(松方弘樹)、元侍で槍の達人の大政(大木実)、乞食のようななまぐさ坊主の法印大五郎(田中春夫)、博打好きで有り金全部をつぎ込む増川の仙右衛門(津川雅彦)らが、次々と子分になっていくエピソードが語られる。〝チーム次郎長〟にどんなメンバーがいるのかを知ってる人には、ワクワクするようなファーストコンタクトシーンだけど、知らない人たちにとっては、なんか羅列的っていうか、盛り上がりに欠けるように感じるのかもね。

そして、〝江戸っ子だってねえ〟〝神田の生れよ〟〝寿司食いねぇ〝のセリフで知られている森の石松(長門裕之)が、最後の方で顔を出したけど、彼が子分になるのはまだ先なのかな。続編に続くってことね。

視聴メモ:2023.10.28/164/東映時代劇YouTubeチャンネル
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