けんたろう

洲崎パラダイス 赤信号のけんたろうのレビュー・感想・評価

洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)
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「赤信号」というのが中々ウィットに富んでいるおはなし。


コロコロと心変わりする蔦枝(新珠三千代)はとても恐ろしく、変化についていけない義治(三橋達也)はひどく情けなかった。そうして2人のすれ違いは余りにももどかしかった。そっちに行くな!いやこっちにも来るな!の繰り返し。全く上手くいかない。
思えば、今作中、上手くいっている事などたったの一つもなかった。2人どころか、誰も彼もが上手くいっていない。だから結末もとんでもない。
最後まで観て思うが、人間という生き物は、きっと一寸のコントロールさえ効かないのだろう。それを加味すると、成る程彼らは幸せであったのかも分からない。


ときに、義治さん、僕は貴方の気持ちが痛いほど解る。僕は貴方の味方です。なァんて、最近の我が身に照らし合わせてしか観る事ができないのですから、全く困ったもんです。