ウサミ

ゆれるのウサミのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
4.1
この映画を、どう結末づけるか?
映画の構成が、映画で扱うテーマを表している。
誰を信じるか?何を信じるか?
観るものに委ねる映画だからこそ、観るものによって多様な感じ方をする映画なのかな、と。

個人的には、終わり方は少し退屈… しかし同時に、終わり方で「あ、好きかも」と思った。

いつから彼を信じていたのか。いつから彼を疑ってしまっているのか。
何が本当で、何が嘘か、疑わせたり、信じさせたり。事件は単純ながらも、展開は時に大きく時に小さく「ゆれる」。

記憶は何を写すのだろう。繋がりは何を導くのだろう。人はそれらを時に都合のいいように置き換えているのかも。
様々なシーンや演出で、心がぐっと引き込まれる。


男前で、飄々としてて、才能のある弟。
器用で、クールで、女たらしなイケメン役はオダギリジョーの専売特許ですね〜
でも避妊はしろよ。気まずいわ。
彼の心の奥に潜む陰りをしっかりと感じさせてくれるのも見事。

独身で、真面目で平凡な兄。
ナヨナヨしてて、何考えてるかわからない感じ。香川照之は相変わらず凄く上手ですね。
徐々に大きくなる不穏感とかもさすが。感情が溢れ出す感じのメリハリもやっぱりうまいなぁ〜


あまり言葉で説明せず、それでいて必要な部分はしっかりと理解させてくれた印象。
変な部分で引っかからずに話の核心に関してを考えながら観ることが出来ました。

蟹江敬三が特になんの活躍もしてないとは思った。「兄弟」というキーワードを強調するための存在?
あれで依頼料200万かい?相場がわかりませんが。笑


キャラクターの会話等の空気感もすごくリアリティがあって、観終わったあとにボンヤリと思い返し考察するのも楽しく、見応えのある映画でした。
テンポも良く、それでいて厚みのある映画だと思います。
ウサミ

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