このレビューはネタバレを含みます
時間があるこんな時にしか観ない一大冒険譚。
なんとなく見たくなって鑑賞。
冥王サウロンの作り出した世界を破滅させる力のある指輪を捨てにいくために集う仲間達がとにかく魅力的。
以下、種族•特徴列記
フロド-
ホビット。主人公。割と何もできないけど持たざる者であるが故に指輪の魔力に惑わされない。
サム-
ホビット。フロドの家の庭師。マジで従者の鑑。ドンキホーテにサンチョがいるならフロドにはサムがいる。推しキャラ。
ピピン&メリー-
ホビット。戦力外。みんなに迷惑かけるけどいい奴らだから憎めない。
ガンダルフ-
魔法使い。ダンブルドア校長。チート。
ボロミア-
人間。誘惑に負けたことを悔やむ。
アラゴルン-
人間。人格者。ボロミアが人間の弱くて悪い面の代表ならば、アラルゴンは強くていい面の代表。
ギムリ-
ドワーフ。毛量がすごい。
レゴラス-
エルフ。ひたすら美しい。弓使い。
どこに推しがいてもおかしくない全方位型のパーティで雨にも負けず風にも負けず歩を進める一行。
敵軍の侵攻を撃退したかと思えば、間隙をついて指輪が人心を惑わす。
精神と肉体を両面から蝕む中々ハードな行脚。
指輪捨てるだけなのに。
そして壮大な世界観に心を奪われているとラストシーンでふっと我に帰らされる。
むむ、これはもしや、コロナ禍の真っ只中で来年に突入しようとしている今年にピッタリの作品なのではないか。
持たざる者フロドが指輪を捨てに1人で目的地に向かおうとする。
するとサムがどこまでもついていく!と追いかけてくる。
この構図はコロナ禍克服という無理ゲーに打ちひしがれながらも周りの人達と一致団結して立ち向かっていくしかないという世相を表しているよう。
思想家シモーヌ•ヴェイユの言葉に、
全く執着から離れ、慰めが少しもない不幸にある時、言葉に言い尽くせない慰めが降り降ってくる(こんな感じだったと思う)と言う言葉がある。
つまり、救いのないヤバい状況にあってその状況を受け止めた時、とんでもない救いが訪れると言う。
このコロナ時代のしんどい状況を受け止めて、新年に挑む。
その時隣には、サム(救い)が共にいてくれるのかもしれない。
旅は続く。
良いお年を。