けーはち

眠狂四郎 人肌蜘蛛のけーはちのレビュー・感想・評価

眠狂四郎 人肌蜘蛛(1968年製作の映画)
3.6
市川雷蔵=眠狂四郎11作。エロス/バイオレンスの刺激がマシマシ、妖しく如何わしい伝奇ホラー時代劇。将軍の庶子で毒マニアで無駄に暴虐を尽くす上、妹(緑魔子)と相姦する狂人が支配する地に、狂四郎と同じ境遇の黒ミサの子(寺田農)が登場。いわば兄弟のようにも思える彼が非業の死を遂げるのを目の前にして、狂四郎の静かな怒りが爆発する。悩ましいヒロインであり稀代の悪女である緑魔子の存在感が強い。音楽は渡辺宙明で、自由闊達なサウンドの中にアニメや特撮のような謎効果音、狂おしくも妖艶なスキャットを交えた音楽が猛烈な印象を残す。