てる

フットルースのてるのレビュー・感想・評価

フットルース(1984年製作の映画)
3.6
青春映画の傑作といえばこの作品。ようやく観ました。
80年代はこの手のダンスを用いた青春映画が多い。どの作品もその時代の流行りを作った作品だと言える。この作品もそうだ。このフットルースの曲を聞いたことがいない人はいまい。
でも、傑作と言われていても、それが必ずしも自分の好みに合うかいえば、それはまた別の話だ。私は大概合わない。
カッコ良くてモテモテの主人公が学園のヒーローになる話しってのはいまいち現実感がない。アメリカの学生ならあり得るのかもしれない。それはお国柄の違いもあるし、個人の性格の差もあるのだけど、私は学生のときでさえ、そんなに感情豊かに生きていなかったと思う。

この作品も古くさいとは思う。ネットが発展した現代では、こんなにも封建的な町は存在しないのではないだろうか。現代は多様性の時代なのだ。音楽やダンスといった娯楽を否定し、限定し、禁じるといったことはあり得ないことなのだ。
だが、この時代はまだそういったカビ臭い考えが残っていても不思議ではない。新しいものを禁じることで、平安を求める。それは一番手っ取り早い政策なのだ。
しかし、若者たちにそれは通用しない。いつの時代でも変革をもたらすのはよそ者か若者なのだ。やりたいという想いに戸を立てることはできないのだ。

この作品は青春映画ではありがちなご都合主義を突き通すのではなく、封建的な町の政策に抗う作品であったと思う。だからこそ青くさい青春物としてだけでなく、また違った青春物として観れたのだと思う。

そういう若者の若いならではの活力と世間知らずさが瑞々しい作品であった。
古くさいところは確かにあるが、その若者の青春は過去だろうが未来だろうが不変のテーマなのだと改めて感じた。この作品は時代を問わず、世代を問わず楽しめる作品だと思った。
てる

てる