ミッキン

ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カットのミッキンのレビュー・感想・評価

4.0
見境なく人を殺す悪党主人公に何の感情移入も無い。よってストーリー展開は期待してないし、パイク達が死のうが生き延びようがどっちでもよかった。
比較的同情の余地あるソーントンが最後残ったのは終わり方として及第点だろう。

見どころは生身のアクション。スタントマンは地獄だったと思う。エンジェルの引き回し刑にこっちも引いてしまう。安全面とか何も考えてなさそうな無茶なカメラ割も多い。銃撃戦でバタバタ倒れる馬も可哀想だ。

そんな過酷さもあって列車での武器強奪や、11日間ぶっ通しで撮影したと言われるマパッチ軍との銃撃戦は迫力がえげつない。ド派手なカメラワークも映像は計算され尽くされている。静と動の対比もいい。
出てくるのはオッサンばっかだから画面に華はないけど、景色がどれも美しく撮れてる。メキシコの空の青さがたまらない。

冒頭の、無数の蟻がサソリを取り囲んでるのをニヤニヤしながら眺めてる子供たちのシーン。火をつけて燃やしちゃう残虐性。
ラストシーンに繋がるシークエンスなんだね。

スコアはこのくらいが妥当かな。