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サン★ロレンツォの夜のmareのレビュー・感想・評価

サン★ロレンツォの夜(1982年製作の映画)
3.5
タヴィアーニ兄弟の自伝的作品で少女の回想的視点から描かれるトスカーナ地方での悲劇。ドイツ軍による村の爆撃から逃れるため村から脱出、過酷なロードムービーのようにも見えるが村人たちのユーモアあふれる描写も印象的だ。子どもが容赦なく撃たれ、走馬灯のようにファンタジックな場面になるシーンは淡々としていて残酷さを一層際立たせている。小麦畑での銃撃戦、かつての同胞とも立場の違いから殺し合い、同情の余地すらどこにもなく倒れていく大人子ども。最悪すぎる戦争の本質と煌びやかな自然と時折はしゃぐ大人たちとのギャップが激しく世界観の唐突な切り替えが凄い。
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