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非情の罠のkのレビュー・感想・評価

非情の罠(1955年製作の映画)
4.3
あぁ、これ面白いっすね。
なんかすでに才能ダダ漏れ感すごいです。

回想入って、主人公の部屋内での立ち回りを1カットでぐるっと見せるなんて、撮影隊が身軽だからこその為せる技ですよね。からのグロリアのお着替えを鏡で。

鏡つながりで、ヴィンスのもとにグロリアがお金も貰いに行くと電話で告げられる場面、ヴィンスがコップ投げたらパリーンと、え?鏡だったのそれ!? と。あれはどう撮ったんだか。

ボクシングのシーンは、編集がお上手。クロスカッティングであの熱量を保ち続けられるのは素晴らしいですね。カメラは基本リングの外からアオリながら、どんどん二人の間、片方のナメ、と迫っていき、最後は目線のショットでダウン! 迫力のハンパないこと。お見事です。

ラストのバトルシーンも、なんて異空間なロケーションなんでしょう。手足や、胴体、マネキン像が散乱したなんとも衝撃的なロケーションでの、マジな男二人のバトル。斧と槍を片手に向き合い、小競り合いを繰り返し、それを引いて見つめるカメラ。マネキンでこけるところなんかリアルだなぁ。
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