最近見た晩秋とどうしても比べざるを得ないです。起きている事象はほぼ同じだけど、晩秋は親から卒業する娘の話、秋刀魚の味は娘から卒業する親の話。
しかし晩秋よりも確実に見やすく、面白くなっていると感じました。
晩秋で長く感じていた会話の間や省くシーンの削り方は確実に上手くなり、コメディも適度に入り、人物の心情もさらにわかりやすくなって、大衆に向けた意識の変化が感じられる演出になっています。
それでいて娘を嫁にやる父親の虚無感と終戦の虚無感を重ねる描写など、相変わらずの鋭い観察眼は健在です。
自分の好みだけでいうと、脚本に関してのみ娘にスポットを当てた晩秋の方が暗い葛藤があり好きでしたが、総合的にこちらの方がグレードアップされている印象です。
