原作読了後に観たから、再解釈の仕方に発見が多くて面白かった。
原作にある余白を残すことを大きな狙いとして持っているから、猫には表情も感情の動きもほとんどないし、テーマに直接関わる終盤の会話は削られている。だからこそすごく自分の物語に感じられた。
カムパネルラが濡れているのは伏線だったんだなぁとか、人として描かれている子供たちの宿命は家庭教師のエゴかもしれないなぁとか、映像だから気づけた発見もあるけれど、鳥捕りの描写は少し一義的で残念に感じてしまった。鉄道のシーンをはじめとして、全体がすごくダークに描かれているのが意外。
救いや成長のドラマを感じられるわけじゃない、むしろ回帰の物語なのに、自分を重ねて前向きになれる不思議な作品。
『銀河鉄道の夜』を読んだら、主人公が実は猫で、ぼくだった話。
https://note.com/otokwmt/n/n8f31ced37610