秋日和

怒りの河の秋日和のレビュー・感想・評価

怒りの河(1951年製作の映画)
4.5
馬がゾロゾロと画面を斜めに横切って始まり、人がこれまたゾロゾロと画面を横切って終る本作の世界は、限りなく豊かなように思われる。映画内の世界はつまるところフィクションでしかない訳だけど、「この世界はどこまでも広がっているんじゃないかな」などという錯覚を見事に起こしてみせるのが本作の素晴らしいところではなかろうか。そして、数々のオフへの目くばせが(例を一つ挙げるならば、姿を見せないスチュワート!)、スタンダードサイズの画面をより豊かなものにしている。タイトルに反し、山を捉えたショットが印象に残る傑作。撮影が本当に素晴らしいので是非ともBD化を!とあるロングショットがあまりにも凄かった。あのフレームの開きっぷりは滅多にお目にかかれるものではないと思います(比べるのもおかしなお話だけれど、アンゲロプロスを想起しました……)。
秋日和

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