のら

映画 ひみつのアッコちゃんののらのレビュー・感想・評価

2.0
綾瀬はるかの七変化と、幼児退行した綾瀬はるかは確かにカワイイが、逆に言うとそれ以外に見どころの無い映画である。

とにかくストーリーが酷い。大人のしがらみに小学生のアッコちゃんが切り込んでいくと言った体をとっているが、切り口として小学生のアッコちゃんが大人のこういう所が変だよねと切り込んでいくわけでもなく、ただ幼児退行した綾瀬はるかが駄々こねるだけなのでコメディとして成立してない。

またアッコが働く事になるアカツカの経営陣と、それを買収しようとするゴールド工業の描写が酷く、株主総会で遅れてきた株主に「帰れ!!」と罵声を浴びせたりと、完全にただの総会屋でにしかみえない。挙句に気に入らないから工場爆破とか、ただのテロリストだし、その件がどう処理されたのかが最後まで触れらないという投げっぱなしぶりだ。

本作のテーマとも言える、なりたかった自分に鏡を使ってなった結果という部分にしても、主人公が漠然とした大人になりたい願望の持ち主なので、大人としてどう振る舞いたいのかが全く見えてこない。そのため憧れの大人になった結果、直視することになる理想と現実のギャップにどう折り合いを付けるのかという部分が無いのでドラマとして成立しない。

ラストで鏡になりたい自分になる事を願うという部分も、そもそもお前の決断は何なんだという事になるので、全体通して話として成立してないため、冒頭で述べたようにただただ綾瀬はるかがカワイイだけの映画になってしまっている。

何がこの映画の問題かというと、映画の魅力を綾瀬はるかのキャラクターに頼りきってしまっている所にある。結果的に綾瀬はるかの魅力しか無い映画になっているので、それは正解ではあるのかもしれない。しかしストーリーの部分をもう少しリアリティのある物にするか戯画的なものにした方が良かったのではないだろうか。

香川照之演じる鏡の精が喪黒福造にしか見えない。
のら

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