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寝ずの番のPikKaのレビュー・感想・評価

寝ずの番(2006年製作の映画)
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余命僅かで入院中の落語家の橋鶴師匠(長門裕之)のもとに家族や弟子など近親者が病室に集まり、師匠に最後の願いを聞き出すところから “終わりの始まり“ が開幕。

豪華なキャスト陣が一切の恥じらいを捨てて女性のアレを表す独特の言葉や夫婦の営み的な絡みなど、冒頭から際どさや下品さを連発しているんだけど、豪華な役者たちの演技の掛け合いや演出が面白いんです。

中でも師匠の妻、志津子を演じる富司純子さんや、師匠の弟子の橋太(中井貴一)の妻、茂子を演じる木村佳乃さんのコメディ要素たっぷりな演技が可笑しくて、コメディエンヌとしての一面も見せつけられます。

前半30分間くらいは茂子の見せ場的な流れで、橋太との白昼堂々の濃厚な絡みや、恥じらいながらも御臨終間近な寝たきり師匠に跨って、いざとなるととびきりの恍惚な表情を見せる場面など、その豪快さに釘付けになるしセリフの発し方ひとつひとつも面白い。

大部分はお通夜や葬儀の場面で、
そこでこの作品のメインキャストたちが演じる近親者が思い出話に花を咲かせたりしながら亡き人を偲ぶ作風。

舞台となる場所は少ないので絵的には地味になりがちだけど、彼らのエピソードの数々やラインダンスwith師匠など楽しくて笑える場面がたくさん。

人生の別れは現実として誰しも通る道だけど、
もし自分の時でもこんな具合に徹底的に賑やかに笑いが絶えない感じにやって欲しいと微笑ましく観ていられた。
ラインダンスやら二人羽織とかなんやかんや楽しんでもらっていいから遠慮なく棺から私を引っ張り出して欲しい(笑)

通夜に来た田所(蛭子能収)の関係性よ。
師匠の妻である志津子(富司純子)の母親の、三番目の旦那の弟の息子って…
あんた、そらもう赤の他人ですやん。

セリフ部分の音が小さめなので聴き取るのに音量を上げていると、際どい声まで大音量で流れてしまって慌ててミュートにしたり窓を閉めたり(笑)
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