群青

七人の侍の群青のレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
3.8
もはや自分がレビューしなくても説明不要な作品。


3時間という長尺でありながら、全くそう思わせないストーリー展開!
正直、息つく暇はない。常に緊張感が漂っている。
皮肉やダジャレを言って笑うシーンもあるがそれでも、この先に戦いが待っている、という不安を抱え込んでの笑だ。
一時の安らぎ。この雰囲気!素晴らしい!でも、菊千代のキャラは視聴者も他のサムライにとってもクッションのような感じ。三船敏郎の演技力だな!


登場人物一人一人の心情やキャラが観るだけでしっかり伝わってきて尚且つ差別化も出来ている。七人の侍は勿論、雇う側の農民たちにも心情がある。菊千代が農民の代わりになって思いの丈を叫ぶシーンは胸を打った。
個人的には久蔵が大好きだ。勝四郎の弁がそれを物語っているし、凄い堅物っぽい顔をしてるのにふとした瞬間ほころんでくしゃっとなるのが良いね笑 ギャップ萌え。

戦のシーンはどれを切り取っても迫力の二文字!血とか首チョンパとか一切無いにも関わらず伝わってくる侍達の必死さ。本当の意味で必死なんだぜ!かっけえええ!

時代考証の正確さは自分はよくわからなかったのでそれは置いといて、視聴者を惹きつける登場人物、ストーリー、戦いの迫力は名作という判を安心して押せる。誰に見せても面白かった、と言える意味での安心さ、だ。こういう作品が世の中にどれだけあるだろうか。世界のクロサワと呼ばれる所以が分かった。
これぞ映画のスタンダード!映画好きなら観ておくべし!
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