しろくま

ギターを持った渡り鳥のしろくまのレビュー・感想・評価

ギターを持った渡り鳥(1959年製作の映画)
3.2
2022.9.06/192/GYAO
〝僕なんかと付き合うんじゃないよ。君とは違う世界の人間なんだ〟〝そう思っていたらお誘いしないわ〟〝それに僕は流れ者だよ。さあ送ろう。お嬢様は、もうお休みの時間だ〟

ダンスホールで、寄り添いながら踊る二人。キザに聞こえるセリフもかっこいい小林旭さん。貫禄がある首領が似合う大スターの20歳の頃の映画〝渡り鳥シリーズ〟の1作目。当時は精悍でスマートな爽やか系。相手役は、純情可憐なお嬢様役がぴったりの浅丘ルリ子さん。〝僕なんかと付き合うんじゃないよ〝って言いながら、プライベートでは結婚も考えていたほどの仲の良さだったとか。舞台は函館。ロープウェイに乗って函館山からの眺めを楽しむ二人。元カノのことを根掘り葉掘り聞き出そうとするルリ子さんがかわいい。

見知らぬ土地に蔓延る悪を倒し、渡り鳥のように去る男の姿を描いたアクション・ドラマなんだけど、大平原で馬車に乗っている冒頭シーンは、まるで西部劇。さすらいのガンマンみたいに悪役宍戸錠さんとの決闘シーンもあるけど、なぜかビリヤードを使った高等テクニック。波止場にたたずみながらギターを弾く姿は様になっていて、同名の主題歌をここぞっていうときに歌うのもいいね。旭節の原点って感じ。
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