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桐島、部活やめるってよの群青のレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
3.7
※気持ち悪くて恥ずかしいレビューです。機嫌を害されたらすみません。


有名な作品ですね。全然情報を調べずに視聴しましたが、桐島本人は出ないということだけ知っていました。


結果を書くと作品としてはとても素晴らしいがもう観たくないなー、と思いました。


なぜかというと、同族嫌悪というかキャラクターがどいつもこいつも少なからず自分に重なっちゃうんですよね〜そして同時に自分がいかにちっぽけで何も成し遂げてこなかったことを突きつけられます。
だからマーベルが好きなんだうな。ヒーローに憧れるんだろうな。だから何も考えないアクションが好きなんだろうなーと突きつけられました。


それくらいキャラクターはとても魅力的だと思います。これは断言できます。
おそらく同年代の中高生は勿論のこと、学校生活を過ごした人ならおおよそ共感出来るところが本当に次から次へと出てきます。

デリカシーがないから好きな人にはコーラ買ってしまうところとか、相手が席を空けたのに気付かす突っ立ったままとか笑
知らず知らずのうちに好きな子を目で追いかけていたり、自分のスキルのなさを自分より容姿もいいしスキルもある仲の良い友達を通して気づいてしまうところ。
部活で強くならなければいけない姿と好きな人に見せられないけど見せたい姿の間で挟まれたりとか。

各々が学校という世界でどうやって生き残るか必死なんですよね。どんなロール(役割)を演じれば友達から好かれるかな、とか自分より位の高い人達の輪に入れてくれるのか。

画面に映る彼らの行動の一つ一つがデンプシーロールで僕を殴ってくるわけです笑


んで最初の方に自分と重なるところがある、と書きましたが、それは各キャラのほんの一部分だけなんですね。それだけで自分の存在が目の前の現実にさらされたのにさらに大きな事実に気付くんです。
自分は彼らより何もしてこなかった、ということを。


部活はしてこなかったし、終わった後友達と和気藹々と話すわけでもなく家に帰りましたし、ましてやスポーツなんてできない。確かに高3の時に初めてこんな僕でも彼女が出来ましたがそれだけでした。
え?彼女出来たんだからいいじゃん!と突っ込むと思います笑 僕もそう思います笑 でもそれが僕として何か成し遂げたかというと全然そうではありませんでした。

傲慢だと言われても仕方がないと思います。しかし自分は世界の中心になりたかった。足りなかった。
だから桐島になりかったです。いや顔は見えないから宏樹で。いや東出昌大でいいです。(上から目線笑)


多分、僕があの世界にいても映画研究部?え?あんなきもい奴らの仲間になんて入らないし、と虚勢を張るでしょう。
そして神木隆之介演じる前田と友達になろうとは思わなかったでしょう。
そのくせ宏樹(東出昌大)のグループに入りたいと思っていますが全く入れず、というか入ろうとするアプローチもせず帰路につくでしょう。
吹奏楽はかっこいいなーと思いながらあんな器用な真似は出来ない、と自分で蓋をし、何も出来ないのに橋本愛のかすみに惚れるんです。容易に想像ができます。
ロメロを語ることはできないからゾンビも語れないし鉄男は知らないし。




うわああああああああ!!!
なんだこりゃああああああああ!!!笑


となりました笑


唯一かすみの友達のバドミントンの清水くるみさん演じる実果だけは自分と一番大きく重ねられました。自分がどれだけやっても越えられない壁に嘆いています。
まあまだ壁があることに気がついて良かったじゃないか、と悟りの境地になってましたが笑


しかし、いいね!青春してて!(投げやり)
耳をすませばとか時をかける少女とかはファンタジーだと思えるからのれるんですね。


全然関係ないですが僕が一番重ねられたキャラは攻殻機動隊TVシリーズ2期の2話に出てくるアイツですね。マニアックすぎますね笑

とにかくそれくらい揺さぶられました。作品の質が極めて高いことはもういうまでもないと思います。

しかし中高にこれを見たとして僕は変われるんだろうか。
カメラを通してロメロの世界に入ることができたのだろうか。
たぶん僕は何もせずドラフトだけ待ってるんだろうなー
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