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ダイヤルMのaiaiのレビュー・感想・評価

ダイヤルM(1998年製作の映画)
3.7
{ii}リメイク作品に対するアンビバレントな期待に答えつつも、普通のミステリーとしても佳品。ダイヤルMを押せ!MはMでもMUTEのM。
~リメイク味くらべVOL1~リメイク

『ティファニーで朝食を』の原作を訳した村上春樹が、あとがきにティファニーをできるだけ忠実に映画化して欲しいと書いてるくだりがあって、逆に特にリメイクを必要としない作品例として、本作をあげていた(笑)

夫が、浮気している妻を他人に殺害させ、完全犯罪を目論むというくだりはオリジナルと同じ。

ただ、夫が殺人を依頼する相手が変わってる。

オリジナルでは、夫の昔の学生時代の知り合いだったのだが・・・

リメイク作品に対する期待は、アンビバレントで、

・いかに忠実にオリジナルの良さを踏襲しているか

と、同時に、

・いい意味でオリジナルを裏切る新しい着想が入っているか

この二律背反のバランス加減が作品の良し悪しを決める。

そういう意味で、本作はオリジナルの面白いところを踏襲しつつも、大胆にアレンジを加え、オリジナルのように延々と続く2人芝居もなく、現代風なカット割で退屈もしなかった。

普通のミステリーとしても佳品だと思います。

ちなみに、リメイク版では回転ダイヤル式ではなく、携帯電話になっていて、番号6(MNO)のところが、”MUTE”(消音)になっていて、そこを長押しする。

携帯のアンテナ伸ばしたり、引っ込めたり、時代を感じますね~(笑)
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