しゅん

イントレランスのしゅんのレビュー・感想・評価

イントレランス(1916年製作の映画)
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DVDも持っているのに家で長いサイレント見ることにたじろいで今まで見てなかった古典中の古典。映画をよく観るために観る、といった学習のつもりで臨んだ部分もあったが、実のところひたすら単純に面白かった。

アメリカ現代劇(資本家による弾圧から始まる男女の不幸)、サンバルテルミの虐殺、イエスの磔刑、バビロン陥落の四事件がかわるがわる物語られるが、中心となるのは現代劇とバビロン陥落。前者における、ドアからの銃撃や車による列車追走。後者における塔の崩壊と馬乗りの激走。運動感覚とラストミニッツレスキューに思い切り引き込まれる。そして、どれだけ人使ってるん!?とびびる。四舞台それぞれの大量の群衆。バビロンの階段を遠くから移すショットの前後移動の際、移されているものと人の無数さにブチ上がる。

最初、ほとんど白痴に見えた"山の娘"が、知性ある戦士になっていくのを見続けるのがたのしかった。現代劇の"孤独な娘"の、涙で化粧が落ちかけたアップのショットに強くゴシック性を感じる。
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