このレビューはネタバレを含みます
アメリカ軍のジョージ・パットン将軍(ジョージ・C・スコット)の戦時下の生きざまを描いた作品。
戦車を率いての、第二次世界大戦の、アフリカ戦線のパットンの活躍も、シシリア島侵攻の活躍も、バルジの戦いの大活躍も指揮官としての才能は抜群だったけれども。
でも、戦争後遺症の兵士を鼓舞するために殴ってしまい解任されたり、連合軍のソ連に配慮しなくて国に返されそうになったり、ソ連を揶揄してまた解任される。これが悲しいけれど、口が災いしのだろう。
独裁国家なら事件にもならないだろうけれど、アメリカは、一応民主主義の国だから問題になるのだろうし、今なら当然だろう。
でも、パットンは、政治家ではないし、外交に疎い所が命取りになったのだろう。それに、パットンの演説を聞くと、戦争は、兵士の個人の尊厳を奪わないと強くなれないのだ、と思わせる所も怖い。
パットンが、戦争で勝つことにすべてをささげ、戦争が終わると気力がなくなってしまうのが、何とも物悲しく、恐ろしい所だ。そして、何と言ってもジョージ・C・スコットが上手かった。
彼がアカデミー賞を取ったのもうなずけるのだけれど、お祭り騒ぎは嫌いと言ったらしく、受賞を拒否したのもなかなか凄い所(2023.2.6)。