一

脳内ニューヨークの一のレビュー・感想・評価

脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)
3.3
チャーリー・カウフマン監督デビュー作

妻と娘に去られ人生に行き詰まった劇作家の主人公は、舞い込んだ賞金をすべて注ぎ込み、脳内に描く理想のN.Y.を現実のN.Y.の中に作るという壮大な芸術プロジェクトの構想を思いつくが、そこでは現実と虚構が交錯し始める…

カウフマン作品なのでおかしな映画であることはある程度覚悟はしていたけど、正直さっぱりわからない
理屈じゃないというのはわかるのだけど、あらすじでコメディだと思っていたので尚更理解が追いつかない

とはいえ、まさに作家性の爆発したカウフマンらしい一筋縄ではいかない奇想天外な世界観に圧倒される映画なので、いくらでも解釈の余地はあるし明確な答えはカウフマンにしかわかり得ないし、観る人はかなり選ぶでしょうけど何故か引き込まれてしまう映画だった

まるで夢の中に迷い込んだかのような現実と虚構が交錯し始める曖昧な物語はまさに人ひとりの人生そのもので、それをたった2時間で表現してしまう監督の力量はやはり計り知れない
決して面白い!となるような映画ではないし、一度で全て理解するのはまず無理だろうけど、こんな脚本を思いつくのは紛れもなく奇才というか天才

フィリップ・シーモア・ホフマンの名演や、周りを固める豪華キャストも本当に素晴らしかった

随所で好みの雰囲気はむんむんにあったし、意味不明な部分だらけなのにじわじわと感動が浮かび上がって来るし、全然わからない不思議な作品ではあるけど割と楽しめました

〈 Rotten Tomatoes 🍅69% 🍿71% 〉
〈 IMDb 7.6 / Metascore 67 / Letterboxd 4.1 〉

2021 自宅鑑賞 No.504 GEO
一