Melko

ボーイズ・オン・ザ・ランのMelkoのレビュー・感想・評価

ボーイズ・オン・ザ・ラン(2009年製作の映画)
4.1
拳に力を込めて………立ち上がれ!!負け犬!!
走れーー!田西走れーーーー!!!!

ずっと見たかった作品がアマプラに!
噂に聞き、胸糞展開は知ってたけど、原作漫画は未読。ドラマも未見。

泣いたわ。二回泣いた。
不器用だねえ。この男。最低野郎だ。何をしてもうまくいかないし、営業先ではバカにされるし、愛した女を取られるし、見返そうとしても空回り、バチボコにやられる。めちゃくちゃカッコ悪い。もう見てられないぐらい、終始カッコ悪い。
元々の資質が違うから、負け戦は見え見えなんだけど、でも、、、
立ち向かうことに意味がある。意義がある。強がって、「あんたのためじゃねえ」っていうけど、愛した女のために立ち上がる。カッコ悪い自分を守るために、傷つかないために、ニタニタヘラヘラ笑ってた男が、むき出しの狂気で格上相手に立ち向かう。
あんた、十分かっこいいよ。腫らした目も、顔中の痣も、夢中になれるものの為に戦った証拠だもの。同意書へのサインはホントに切なかった。

銀杏 峯田さんの演技はなかなか良かったよ。やるせなさと情けなさとカッコ悪さが。最後の疾走はカッコ良かったし、晴れ晴れしてた。
松田龍平はほんとこうゆう、人の神経を逆撫でする脱力感が似合うなあ。素な気がする。笑

わたし、似たような業界にいるから、会社の中のことも共感できたわ。
会社が小さいと、社員は家族なのよ。だから、リリーフランキー演じる社長が、電話口でキレた田西から電話奪って、「田西はクビにはしませんよ。もう存分に暴れてもらいます」ってところで涙腺崩壊。あったかいなあ、おい。
小林薫演じる飲んだくれ先輩トレーナーもよかったな。田西の決闘場面で、やられまくる田西に、「人生で一番痛かった時思い出して!その時に比べれば痛くない!」って声かけるの、最高に熱かった。
YOUのつっかかりもよかった。「遊びのつもりならちゃんと避妊するべきでしょうが!」ど正論。

あとね、レビューの中に、「結局ちはるは何なんだ、女心はわかんねえ」ってのがあったけど、違うのよ、ちはるも本気で好きだったけど、田西が、肝心な時に大事なこと言ってくれない男だから、ちはるもツッパっちゃったのよ、、て思う。悪い男と付き合うと、格好が下品になるのは女あるある。田西みたいに、不器用だけど真っ直ぐに自分を想ってくれる人を、「もう、カッコ悪いなあ」って言いながら、笑ってきちんと評価できるようになるには、ちはるはまだ若い。のだと思う。それがわかるラストのやり取りで二回目の涙腺崩壊。もう、みんな、幸せになりなよ。。

また見るのは体力要るなあ。共感性羞恥がすごいから。でも、自分の中で大事な作品だなあ。
Melko

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