のら

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャーののらのレビュー・感想・評価

3.5
ザ・ファースト・アベンジャーというサブタイトルからも分かるように、アベンジャーズのプロローグ的作品。アベンジャーズへのプロローグ作品という性質上、話のピークが中盤の単独捕虜奪還作戦で来てしまっていて、後半は完全にアベンジャーズの前座に徹してしまっている。

このキャプテン・アメリカというヒーローは強靭な肉体と最強の盾という要素を除くとこれといった特殊能力が無いし、内面的な部分でも基本的には根が好青年なので、暗黒面に堕ちるようなことも無いので盛り上がりにかける。

敵役のヒューゴ・ウィーヴィング演じるナチス将校レッドスカルも基本的に特殊能力があるわけでは無いので盛り上がりにかけてしまう。敵のデザインは悪くないのだが全体的にアクションがモッサリしているし、スチームパンク風なナチスというイメージはよく使われている為に比較されやすい為に見劣りしてしまう。

とはいえ鍵となるアイテムとしてマイティ・ソーで出てくるコズミックキューブが出てきたり、トニー・スタークの父親がキャプテン・アメリカの開発に協力していたりと、アベンジャーズに繋がる演出を随所に仕掛けているのは良くてヒーロー物のエンタメ映画としてバランスも悪くはないし、ヒーローになりたいという子供の頃に誰しもが思う事を、キャプテン・アメリカは体現しているわけで、ヒーロー映画としては王道中の王道映画に仕上っている。

しかしやはりこの後に控えているアベンジャーズを意識しているのか、どことなく物足りなさを感じる映画になってしまっている。
のら

のら