R

ラリー・フリントのRのレビュー・感想・評価

ラリー・フリント(1996年製作の映画)
4.8
エロ本関係。ある著名な人物の半生を描いた映画って、基本ざーっとなダイジェストで終わってもーてて、エモーションをうまく処理できてない印象やけど、これはよい! むちゃくちゃ良い! ハスラーというポルノ雑誌出版社の創立者ラリーフリントが、とにかくむちゃくちゃ笑 前半はすごい人物やなぁと感動。おとなしいポルノしか存在しなかったアメリカに、本当にヌケるポルノ雑誌を出版。告訴されるのを逆手にとってマスメディアを利用し、億万長者へと成り上がる。さまざまな問題を金でばんばん問題を解決し、売り上げをガンガン伸ばしていく。また、言論の自由・表現の自由を盾にとって社会を挑発し、戦争とポルノとどちらが猥褻なのかと問いかける演説シーンもあったりしておもしろい。が、後半、薬でラリってしまって、裁判所でだだっ子よろしく暴れん坊的に社会にはむかい始めるあたりから、やっぱやりすぎな部分もあるかなーと。あんなに反逆心むき出しにならず、正当に闘えば、もっと正しく評価される人物になりえたんじゃないかとも思ったけど、まぁ社会における存在的に無理ですね笑 やからああやって噛みつく方法しかなかったっちゃなかったのかな。まぁ映画の主人公としては最高! 本作の一番の魅力はおれ的にはウディハレルソン!エロい! 全身の造形が好き! 顔が好き! 話し方が好き! 途中からキャラ崩壊して変なしゃべり方になるけど笑 結局は人間、どれほど闘志を燃やしていても孤独からは逃げられない。そのニュアンスをうまく出してる。彼の孤独を一身に受け入れるが、ドラッグに溺れヘロヘロになって、遂には不治の病にかかってしまう妻をびっくりするくらいすさまじい迫真さで演じるコートニーラブ。ラリーの彼女への盲目的な愛には感動的なものがある。盲目的な愛って好きじゃないんやけど、きっとラリーには覚悟があるから。そして、度重なる裁判をずっと一緒に闘い続ける弁護士を演じるエドワードノートン、何度も何度も法廷をディスってクソミソにして、弁護人の立場を台無しにする依頼人に愛想をつかしながら、友情から弁護をひきうけてしまう情の深さを、さわやかに演じてる。個人的には、本作のもっとも大きな楽しみは、妻との薬漬けの愛情よりも、このふたりの友情のうれしさにある気がした。とはいえ、ラストのシーンは涙なしには見れません。
R

R