群青

ほしのこえの群青のレビュー・感想・評価

ほしのこえ(2002年製作の映画)
2.3
むかし、夜空に光る星は実は今光っているのではなく何年も何万年も前の光が届いていること。そしてもしかすると今その星がもしかすると消える瞬間かもしれないということ、それらを知ってとても驚愕した。
今見てる光が今消えているかもしれない。宇宙の広さと神秘を味わった瞬間だった。


登場する女の子は中三ながら国防軍に選ばれ、宇宙の彼方に潜む異星人を倒すため遠く遠く向こうへ旅立った。彼女のことを好きな男の子は彼女の頑張る姿をメールで見ながら、次第にメールの届く時間差にどうしようもない不安を抱えていくのだった。

最初こそは数分で届いたメールが最後には8年になる。
片道8年!届いた頃には男の子はもう大人になっているのだ!
切ない。自分は中三のまま男の子だけが大人になる。

何気ない日常に潜むちょっと幸せさえも宇宙の中では無に等しい。ましてや地球で感じた温度や湿度や人がいるという心のよりどころさえない。時間も空間も関係なく自分だけの世界。それでも僕は、私はここにいる。と声を上げるしかない。


目の付け所は面白く最初に見たときは驚いた。しかし一人で作ったせいかまだ未熟なのか人物の作画は発展途上を感じさせる。それでも幻想的な風景とその美麗さで押し切ってしまうのがこの作品の魅力なのではないか。

今も夜空に輝くほし。そのこえは今もこちらに届いている。どんなこえかは分からなくとも。
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