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E.T.のmaverickのレビュー・感想・評価

E.T.(1982年製作の映画)
4.5
Filmarks登録2900本目達成!
めでたい記念作は、この『E.T.』に決定。

みんな知ってるスピルバーグ監督の超有名作。
2900本も映画を観てきて、なぜか『E.T.』は未見で。昔は地上波で散々放映されていたのにスルー。E.T.の見た目に抵抗があり、観るのをずっと躊躇していた。そのうち今更観るのもなという気持ちになり、ここまで来た。2900本目の作品を選ぶにあたり自分の中の節目には何か記念になる特別な作品がいいなと思い、世界中で知らない人がいない超有名作の本作が相応しいと考えた。そんなわけでようやく鑑賞。

82年の映画で、古さは感じる。
冒頭の宇宙船の描写とかは、さながらテーマパークの作り物のよう。合成シーンも丸分かりだし、映像も古臭い。115分という丁度よい長さなのに全体的に間延びしていたりして、作品自体の粗さみたいなものを感じたりもする。それでも、それでもやっぱり本作は名作だとはっきり思えた。SF映画を代表し、スピルバーグ監督作品を代表する、映画の歴史に燦然と輝く作品。間違いない。

E.T.は見た目は確かにおどろおどろしいのだが、とってもチャーミングで愛らしい。主人公とその家族との触れ合いを見ていれば自然と愛着も沸く。少年たちとE.T.との交流に心が温かくなる。大人たちは宇宙からやってきた生物を解明しようと必死になるが、子供たちはそんなことは重要じゃない。E.T.のことを思い、彼をあるべき場所へ戻してあげようとする。友達として。E.T.は存在自体が珍しいし、特殊な能力も使える。それを利用しようと考えない子供たちの純粋さが良いんだよね。
子供に見せたい作品だし、大人になってもこのメッセージ性は心に響く。こういう気持ちを忘れちゃ駄目だなと。

E.T.は着ぐるみで作られていて、その出来栄えに驚く。表情豊かで本当に生きているかのよう。動きはもっさりしているんだけど、宇宙人だからそれっぽく見えちゃう。主人公の男の子は、このE.T.を相手に喜怒哀楽をしっかり表現していて、そこも素晴らしかった。主人公がE.T.に見せる想いがあればこその感動。演じたヘンリー・トーマスの天才子役ぶりが際立つ。同じ天才子役として本作で有名になったドリュー・バリモアも愛らしかった。作品内でとても良い味だしてる。あと、お兄ちゃんの立ち位置も良かったな。主人公である弟を最初の方では馬鹿にしているんだけど、E.T.との交流を通して良い兄になるんだよね。弟のことを想い、E.T.のことも想う心の優しいお兄ちゃんで大好き。

宇宙人と子供との交流だけにとどまらず、家族に焦点を当てた物語でもある。両親の別居問題により、当初家族はバラバラの状態。けれどE.T.との交流を経て、母と子供たちは一つにまとまる。父親離れが出来ていない少年の成長をも描いてある。最後にE.T.との別れを経験する主人公は大人の階段を上るのだ。スピルバーグはこうしたテーマを作品に盛り込むのが上手い。ただの娯楽作じゃないから、今なお世界中で愛される作品となっているのだなと。


自転車が宙に浮く有名なシーン。お馴染みのあのテーマソング。観る前から知っているのに鳥肌もので感動だった。完全に食わず嫌い。もっと前に観ていたらより感動したかなぁ。でも今観ても感動したというのが大きい。名作は色あせないという言葉通り。これからは勧める側に回り、本作の良さを伝えていくぞ!
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