せの

ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記のせののレビュー・感想・評価

3.5
のび太たちはとある星に「生命のねじ」で生命を吹き込んだおもちゃたちの「ねじ巻き都市」を作る。

シリーズでもこの作品が特別異色に感じるのは、悪役が同じ世界の同じ星、同じ国の生身の人間だからでしょうか。
前科百犯とまで言われ、明確に犯罪者である人物と小学生が対峙する展開なかなかやばいでしょ…

この作品から感じる熱烈なメッセージは、ひとつは都市開発と環境問題、もう一つは善の心についてですね。

生命を与えた神的な存在であるのび太たちが、自分の娯楽性を求めるあまり、環境破壊をやめるようにおもちゃたちに訴えられる。敵意があるわけでは無く、おもちゃたちはキチンと話し合って結論を出していた。なんて健気で素直なんだ…

タマゴコピーミラーでクローンを作る前科百犯の鬼五郎だが、その中に一人だけ優しい心を持った"ホクロ"が誕生します。これはどんな人にでも僅かでも善の心があるのだ、という象徴のように感じましたね。

正直あまり盛り上がるわけでもないし、後半の失速感はすごいですが、ドラえもん世界の日常の延長上にある冒険という感じがしてとてもしっくりきました
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