せの

ファントム・オブ・パラダイスのせののレビュー・感想・評価

4.5
業界の権力者であるスワンが、自身の経営する"パラダイス"劇場のオープニング曲を、売れない作曲家のウィンスローから強引に奪い我がものとする。その恨みからウィンスローはスワンの事務所へ侵入するも、プレス機に顔を挟まれ声を失って醜い姿となってしまう。スワンはそんな窮地に陥った彼を逆に利用し、悪魔との契約を交わさせる。

サスペンス色が強いカットが多くて、サイコリスペクトなのがよくわかります。とくにカットひとつひとつから溢れ出るパワーが凄まじく、ビーフが痺れて死ぬシーンなんか過剰演出もいいところでしょう。ウィンスローが音楽を奪われ、尊厳も声も顔も奪われたことで復讐に燃えていることがヒシヒシと伝わります。
初めにウィンスローがジューシー・フルーツのリハーサルを爆破するシーンでは、おなじみのスプリット・スクリーン!いつ見ても思い切った手法だよなあと思います。
ロック・ミュージカルといってもサスペンスとドラマと少しのホラーのエッセンスが融合した最高のデ・パルマ作品だと思います。
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