真鍋新一

喜劇 大風呂敷の真鍋新一のレビュー・感想・評価

喜劇 大風呂敷(1967年製作の映画)
2.5
戦争させるぞじゃんじゃん〜
やれやれ!うんとやれ!ホイ〜ホイ〜
原爆落とすぞどんどん〜
やれやれ!どんどんやれ!ホイ〜ホイ〜

冒頭で藤田まことが踊りながら歌う、監督の中平康が作詞した主題歌「あほんだら音頭」。これのアナーキーさがすごすぎて圧倒されたのだが、劇中のギャグがことごとくすべりまくるので、内容は散々。

個人的にはカルトGSのアウトキャストが「レッツ・ゴー・オン・ザ・ビーチ」を歌う場面があってたまげたのだが、ひょっとすると現在の観点ではGSマニアしか喜ばない映画になってしまっているかもしれない。

いや、そんなことはなかった。左とん平に向かってやたらと藤田まことが「ヘイユー!」という声をかける。「ヘイユウ・ブルース」の5年以上前から「ヘイユー!」のネタは存在していたことがわかる(まだそれほど流行っていなかっただけ)。

ナベプロ関係の人気芸能人が大勢出ているのだが、きっと忙しくてあんまり撮影現場に出ていないなという感じでバラっバラ。これは他の映画会社でもけっこうあるのだが、有名人だけ出しておけば間がもつだろうという貧しい発想で、その後邦画が本格的に斜陽化するとこの手の作品が増えてくる。

ただ、車の爆発シーンなどは無駄に火薬の量が多かったりして、妙なパワーが印象に残っている。藤田まことも「てなもんや三度笠」で人気があったのだから、もっと暴れさせれば良かったのになぁ。いや、もしかして当時はこれがTVタレントとしての限界だったのかもしれないが。
真鍋新一

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