ブライス・ダラス・ハワードの張り詰めた表情は別人のよう アイヴィーの心細さと強さを体現して素晴らしい 通報しようとする青年をアイヴィーの震える声が制する
「とても優しい声ね」
お金のかわりに受け取った金時計はバックミラーで揺れていた
アイヴィーに頼まれた薬を盗む 上司の目を盗んでガラスの扉を静かに開ける
新聞を読む上司の顔がガラスにボンヤリ映る その視線が気になる 薬の瓶を掴む手を
追ってないか ほんの僅かのシーンでも
サスペンスを産む
上司の顔をよく見ると おや？
アイヴィーは盲目だ
この薬を命懸けで杖と耳を頼りに
震えながら街にやって来た
心から信頼できる愛する人の為に決意する
彼女のその愛の深さがこの狭い村に窮屈に住んでいる人々や暮らしにほんの少しの
変化をもたらす 過去の忌まわしい出来事から身を守る為に 虚像を作り上げ恐怖で
村人を縛り このコミュニティから社会を切り離す 村を覆う虚構を破壊するほどの強さを持つアイヴィーが盲目なのが意味深
全てをアイヴィーのか細い背中に賭ける
彼女の強さが際立ち 美しさとなって
私の胸に響いた
