ひでやん

亀は意外と速く泳ぐのひでやんのレビュー・感想・評価

亀は意外と速く泳ぐ(2005年製作の映画)
3.7
平凡に暮らす主婦スズメは、ある日偶然
「スパイ募集」の広告を見つけて応募する。
平凡な主婦がスパイになり、スパイ活動をする物語。

ミッション・インポッシブルや007のようなアクション映画……
なんて三木聡監督は撮らない。
小ネタ満載の脱力系コメディである。

長い階段をのぼる途中見つけたスパイ募集の広告は、めっちゃ目立たない場所にあり、指先に乗るちっちゃなシールサイズ。
電話して面接場所に行くと、普通のアパートで、そこにいたのは普通のオッサンとオバサンのスパイ夫婦。
「とりあえず今日からスパイ」とあっさり言われるスズメはスパイとなり、活動する。
スズメに与えられた任務は……

いまのところ特にない。目立たないように平凡に暮らすこと。

ユルイわあ、ユルユルでほっこりするわあ。
日常の暮らしの中で平凡とは何かを考えるスズメ。
レストランの注文も、買い物をする品も、記憶に残らないような目立たない物にする。

豆腐屋や理髪店がある商店街の雰囲気が良かった。
永久パーマや、そこそこラーメンなど、
日常にある風景をユーモアに描いていて、肩の力を抜いて気楽な気持ちで観る作品だった。
平凡なスズメとダイナミックなクジャクの対照的な二人が良かった。

緊急招集の合図が商店街のアナウンスって、このほのぼのとした感じが好きだな。

そこそこ笑って、そこそこ面白い映画だった。
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