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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のyumeayuのレビュー・感想・評価

4.0
"ヤマアラシのジレンマ"

2007年に公開された新劇場版の第1作。
単なるリメイクではなくて、新たな解釈も加えられたいリビルド版。

"序"と題された今作はテレビ版の1〜6話あたりまでが描かれています。大きなストーリーラインはあまり変わらないものの、テレビ版を知っていると結構違う部分や、「これってもしかして?」と思わせるような描写もあって、いろいろと想像を巡らせるのが楽しい。
細かいところをあげるとキリがないですが、印象的なところでいうと、すでに海が赤かったり、使徒の順番や名前が違うところ、物語の序盤にも関わらずカヲルくんが登場するあたりでしょうか。

また、劇場版ということもあってか、限られた時間の中でギュッと話を詰め込んでいるので物語のテンポがすごく早い。
相変わらずウジウジしている主人公のシンジですが、終盤に向かってはエヴァに乗るという葛藤を乗り越えて、まさにロボットアニメの主人公のような成長も見せます。特に終盤のヤシマ作戦のシーンは映像技術の発達もあり、テレビ版とは段違いのダイナミックさと緊張感があって、エンタメ作品としても申し分ない。
また、テレビ版では基本的に主人公とその周辺の人物しか登場しませんでしたが、今作では第3新東京市の住民やネルフ職員といった"モブキャラ"の姿も描かれていたのも新鮮に感じました。

あと、大人になって見返してみると、登場する大人たちがロクでもない奴ばかりということに気づく(笑)。
ネルフの人たちは仕事はできるけど公私混同すぎるのと、精神的に大人になりきれていない感じがします。人類存亡の危機だとはいえ、いきなり連れてきた少年を上手いこと言いくるめて無理矢理エヴァに載せるって酷い。理不尽なことばかりを押し付けるネルフはまさにブラック企業。

気づいたことといえばもう一つ。
ミサトさんてただのアル中だと思ってたんだけど、実は発泡酒とかじゃなくてちゃんとビール(しかもエビス)で、日本酒も獺祭というこだわり。お酒にはちゃんとお金かけてるんだ。
獺祭って飲みやすいからグイグイいっちゃうのはわかるけど、空き瓶の量がハンパない…。
あー、でもストロングチューハイじゃないだけマシか…。
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